［楽仙樓］は1994年に下鴨で誕生した。店を開くきっかけとなったのが、中国北部・ハルピン出身のお母さんの水餃子。近所に振る舞ったり自宅で餃子作りを教えたりしているうちに評判となり、「中国の家庭の味である水餃子をたくさんの人に味わってもらいたい」という思いが強くなったそう。つるつるでもっちりとした厚めの皮で肉汁たっぷりの餡を包む水餃子は、開店当時から現在まで変わらぬ看板メニュー。餡に使う豚肉は国産バラ肉とアンデス高原豚、野菜は季節ごとに一番美味しい地域を厳選するなど材料にこだわる。素材の味を引き出すためにニンニクは使用していないので、シーンを選ばすに食べられるのも高ポイント。今でもお母さんが丁寧に餃子を作り続けており、家族でその味を守っている。京都では「水餃子といえば楽仙樓」と言われるほど、京都の定番グルメの1つとして親しまれている。
開店当初は水餃子中心だったメニューも徐々に数を増やし、現在は目移りしそうな豊富なラインナップに。中国北方料理を中心に、定番の中華料理やオリジナルの料理も揃う。店は2003年に現在の四条東洞院に移転し、2018年にはリニューアル。半個室を設置するなど、より快適な空間になった。ゆったりとしたカウンターもあるので、1人で訪れても居心地が良い。また2021年にはテイクアウト専門の［手包み工房 楽仙樓］をオープン。現在も進化し続ける［楽仙樓］の今後の展開が楽しみだ。

楽仙樓 黒酢冷麺と冷麺食べ比べセット
黒酢冷麺と冷麺食べ比べセットは、暑い季節にぴったりの一品。黒酢冷麺のタレは鶏ガラと豚骨のスープが味のベースとなっており、飲み干せるほどのマイルドな味わい。付属の黒酢をかけるとよりまろやかになるので、好みに合わせて加えたい。冷麺には超特選むらさき醤油や［ごまの専門店ふかほり］の金ごまを使っており、甘酸っぱさのなかにコクを感じられる。両方とも鶏肉と錦糸卵のトッピング付き。きゅうりやトマトなどを加えれば、よりさわやかに美味しくいただける。